小森谷 巧 「弦の巧」 [XQDN-1035]

2013.2.6発売。

読売日本交響楽団のコンサートマスターを務める小森谷巧が
自身の集大成として選んだシューベルトとシュニトケの楽曲に挑む

現代音楽の巨匠シュニトケの楽曲も収録し、古典と現代を行き来する意欲作がここに完成。
ティートックスタジオ新設第一弾クラシック作品！録音からマスタリングまでトータルサウンドアーティスト金野貴明が担当。 スタジオ録音とは思えない美しい残響が魅力的である。

シューベルトの楽曲の持つ深みや味わいを理解できたとき、音楽家は自分の過去を振り返ることになると言われている。老成したごく一部の若者は別として、シューベルトの楽曲には人生を経ないと分からない滋味があるのだ。音楽と共に人生を歩んできた人々の道標の一つとして、シューベルトはふいに彼らの前に現れる。もちろん看過しても良いのだが、やはり彼らは後ろ髪を引かれてしまう。
小森谷巧も「どうしてもシューベルトを表現したい」そんな気持ちをかき立てられた一人だ。今回取り上げたシューベルトの楽曲は2曲。
数少ないヴァイオリン楽曲で、19歳のシューベルトが作曲したと言われる、瑞々しさが溢れる「ヴァイオリンソナタ イ長調 Ｄ574」。そして、特筆すべきは歌曲「連祷」をバイオリンとピアノで収録した作品だ。全ての死者の魂へ分け隔てなく祈りを捧げたというこの歌曲をあえてインストで収録している。演奏による表現だけで、この曲に込められた深い感謝を表現したという。また、現代音楽の巨匠シュニトケを2曲収録。「古典風組曲」はモーツァルト、ハイドンを思わせる雰囲気とパロディが詰まった隠れた名曲。「ヴァイオリンソナタ第1番」はJAZZを感じさせるテクニカルな演奏とコントラバスのような音を出すピアノが聞き所だ。

Musicians:
小森谷巧(Violin) 松本和将(Piano) 金野貴明プロデュース

収録曲
1. アルフレット・シュニトケ：『古典風組曲 』
2. フランツ・シューベルト：『ヴァイオリンソナタ イ長調 Ｄ.574 』
3. アルフレット・シュニトケ：『 ヴァイオリンソナタ第１番 No.1』
4. フランツ・シューベルト： 歌曲『連祷』D.343