井上仁一郎「セグンド」 [XQDN-1069]

井上仁一郎「セグンド」 [XQDN-1069]

販売価格: 3,056円(税込)

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商品詳細

2015.09.02全国発売 / XQDN-1069

鈴木大介との「アランフェス」、原善伸との「アルハンブラ宮殿の想い出」をはじめ、橋爪晋平、山崎拓郎
との全編ギターデュオアルバム。
井上仁一郎が名手たちを相手取って作り上げたこのCD には、魅力的な世界への示唆が一杯に詰まっている。《音楽評論家 濱田滋郎》
井上仁一郎の2作目は、鈴木大介、原善伸、橋爪晋平、山崎拓郎、4人の名クラシックギタリストとの全編ギターデュオ。
クラシックの枠だけにはとどまらず、タンゴ、サンバ、ルンバなどのラテン要素から、ロック、ブルース、フラメンコ、ロマ、ミニマルのエッセンスまで取り入れ、クラシックギターデュオの可能性に挑戦。
ピアソラ「タンゴ組曲」や吉松隆「アトム・ハーツ・クラブ・デュオ」といった傑作の他、ロドリーゴ「アランフェス」やルビーラ「禁じられた遊び」といった名曲には大胆なアレンジを施し、タレガ「アルハンブラ宮殿の想い出」はサグレラスの手によるデュオアレンジで収録、また、パコ・デ・ルシアとアル・ディ・メオラの難曲「地中海の舞踏」にまでも手を出した超意欲作。

■トラックリスト(全13トラック)
タンゴ組曲/アストル・ピアソラ
Tango Suite / Astor Piazzolla
1. I. Deciso
2. II. Andante
3. III. Allegro

アトム・ハーツ・クラブ・デュオ/吉松隆
Atom Hearts Club Duo / Takashi Yoshimatsu
4. I. Allegro
5. II. Andante
6. III. Scherzo
7. IV. Finale

8. チキ・チキ/サンドゥ・チョルバ
Tchiki Tchiki / Sandu Ciorba ※
9. アランフェス/ホアキン・ロドリーゴ
Aranjuez / Joaquín Rodrigo ※※

10. 地中海の舞踏/パコ・デ・ルシア&アル・ディ・メオラ
Mediterranean Sundance / Paco de Lucía & Al Di Meola ※

11. 風景画/井上仁一郎
Paisaje / Jin-ichiro Inoue

12. 禁じられた遊び/アントニオ・ルビーラ
Romance de Amor / Antonio Rubira ※

13. アルハンブラ宮殿の想い出/フランシスコ・タレガ
Recuerdos de la Alhambra / Francisco Tárrega ※※※

★ギター・デュオの豊かな世界
 当CDの主役、井上仁一郎は、まだ”若手”と呼ばれてよい世代に属するが、着実な技巧と共に広くまた確かな音楽観を身につけ、これから疑いなくギター界に「中堅」の座を占めていくであろう逸材の一人である。その彼がここに、ひとつの新たな地平線を拓いた。すなわち、独奏ではなく2重奏によるギター音楽の探究である。
 ここで、ぜひ改めて考えてみたいのが、「ギター・デュオ」という演奏形態が持つ意味合いの深さである。ギターは、たとえピアノには及ばぬとしても、「それ自体、単独で自立できる楽器」であるという、立派な特質を持っている。メロディーおよび適宜なハーモニー、そしてリズム─音楽の3要素のすべてを、ギターは十全に(と言って悪ければ、ほぼ十全に)表現できる。そのために却って、奏者は従来「独りの世界」にこもりがちで、他者との合奏を好まなかったのだ、とも言える。
 が、いったん「ギター2重奏」という世界を知ってみれば、それがいかに豊かな広がりを持つものであるかに気づかされよう。1挺だけのギターには、やはり音楽表現上の制限がつきまとう。旋律と和声、あるいは旋律同士の組合せに、機能上、どうしても不可能なものが多いのだ。2つのギターは、そうした宿命的な不可能を難なく取り除くことができる。並行して同時に流れる2つの旋律を1人の奏者が独奏する場合と、2人の奏者が別々のギターで弾き分ける場合─どちらが生き生きと、真に音楽的に聴こえるかは言うまでもあるまい。和音やリズムに関することもひっくるめて、2つのギターは〈1+1=2〉ではなく、〈1+1=3,4,5...〉と、可能性を大きく広げる。
 腕の立つギタリストたちが数を増してきたこんにち、「ギター・デュオ」の世界には、充実した展開の可能性が豊かに望まれる。井上仁一郎が名手たちを相手取って作り上げたこのCDには、魅力的な世界への示唆が一杯に詰まっている。  《音楽評論家 濱田滋郎》

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